黄昏
夕焼けの一瞬前の
暖かな光が差し込んできて
何だか満たされたような気になって
部屋の真ん中で膝を抱えた。
とても静かで
右から差し込む黄色い光が
私を照らして
何だかひどく、平穏だった。
ここは一人で。
私はきっと一人だけれど。
夏が終わって秋が来て。
人恋しいとかいうけれど。
秋には悲恋の記憶もなくて
鮮明すぎる残像もなくて。
空は高くて淡かった。
際立つ影ももう見えない。
私はきっと、きっと一人で
膝を抱えて蹲る。
哀しくもなくて
ただ驚くほどの完成形だった一瞬に
囚われてしまおうかと思っていた。
この平穏な季節の中に
ずっと蹲っていようかと思っていた。
photo by 空色地図
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