夏と空と青と夕焼け
私たちはきっと、互いに臆病で優しすぎて、小さな嘘ばかりついていた。自分を守るために。お互いを守るために。 それは罪もなく他愛ないものばかりだったけれど、自分ばかりをひどく狭い場所に追い詰めて、私たちは、窒息しそうになって目を背けた。 ひどく小さな嘘だったのに。 今なら分かる。守りたかったものはとても些細なもので、そして、そう簡単に失われるものではなかったのだけれど。 あの頃、私たちは何も分からずに。 ほんの少し傷付いただけで、粉々に壊れてしまいそうで。 まるで近づけなかったね? 思わず伸ばした手が空を掴むだけ。
君は今頃どこにいるのだろう? 私は。私はここにいます。 背が伸びたけれど、空は相変わらず高いままです。 色々な事が変わったと言うけれど、それでも抜けるように青く見えます。 君は今頃、何をしているだろう? また出会えたらいいのにと心から思っていました。 何も行動は起こさないまま、私は空を見上げたままで、心から願いました。 もしもう一度会えたときにそれが奇跡だとか運命だとか思えるように、探さないでいようと思いました。 私はここです。変らないまま。 何か、原点のようだと思うのです。 夏と青と空と夕焼け。 あなたには伝わるといいなと願っています。
photo by 空色地図
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